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わたしたちのWellbeingと超福祉

SDGsを通じた学びの拡張とその実践

​登壇日時 2020年9月7日(月) 18:30ごろ(予定)
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聴覚(聞こえ)が不自由な方でも​、発表をお楽しみいただけるような視覚資料を作成しました。

​映像の中でも同時文字化システムが導入されています。自分に合った方法でお楽しみください。

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 高校2年生の生物の授業(生物多様性とSDGs)で、初めてSDGs(持続可能な開発目標)の存在を知りました。今までは社会課題が「独立した存在」として取り上げられており、その解決は複雑で困難なものとされていました。しかし、SDGsの登場により、各課題が17の分野にカテゴライズされ、課題間のつながりが明確になるとともに​、行動の主体が「政府」から「わたしたち」へと移り変わりました。このことは、誰もが社会課題の解決に向けて動き出すことができるようになったことを意味します。これらの特性に魅力と可能性を感じた自分は、SDGsをジブンゴトとして捉えるための短い動画を制作しました。

 この動画は、多くの小中学校の授業で採用され、全国規模での広がりを見せました。さらに、大学の導入授業や企業の研修、ワークショップでもご活用いただいています。このような活動の広がりにさらなる可能性を感じた自分は、学生団体50cm. を設立しました。50cm. とは「身の回りの半径50cm. から意識を変えることが、社会変革への潮流へとつながる」という、経済産業省の「50cm改革」から着想を得ています。従来のボランティア系の同好会よりも、「気軽さ・デザイン性」にこだわり、最終的には100人を超える応募者が集まりました。学校や学年の域を超えた活動は現在も続いており、Instagramを活用した毎日投稿をはじめ、2020年全国高校生社会イノベーション選手権にて審査員特別賞を受賞するなど、精力的な活動を展開しています。立ち上げから間もなく、サイエンスアゴラや超福祉展などの大型イベントに登壇させていただき、自分たちのビジョンや企画、活動報告を発信しました。

 多くのイベントに出演させていただきましたが、現在の自分の活動に最も影響を与えているのが、この超福祉展です。超福祉展の魅力は、クリエイティブな手法で意識のバリアを軽々と超える「かっこよさ」にあります。「ボランティア」をはじめとする社会活動系の団体には「地味」「ダサい」「意識高い系」など負のイメージが付きまといます。これは、現在の福祉業界の抱える問題と非常に類似しており、共通の問題意識を感じています。同時に、超福祉展の展示の数々から感じられる。多くの人を引き付ける力を学生の意識にも持ち込み、身近な変革を起こすことができるのではないか、という可能性を感じています。

Co-Design

参加型デザイン
​Participatory Design

 Co-Design(Participatory Design:参加型デザイン)とは、1970年代に北欧で提唱された比較的新しいデザイン思考です。この思考の特徴は、すべての人を「デザイナー」と位置づけ、各個人が感じる課題を周囲と協力しながら乗り越えていく姿勢にあります。従来のデザインでは​、経済成長を目的とした大量生産を実現するために、限られた専門職(デザイナー)が製品をつくり、人々がそれらを消費するという経済構造が前提に考えられています。しかし、Co-Designは「パーソンセンタード(人が主体となる)」ことが前提であり、みんなで話し合いながら解決策を見出いしていくという行動の連続により生まれています。その場所がファブラボ(市民が自由に使うことのできる町工場のようなもの)であり、地域に根差すコミュニティであると考えます。ヨーロッパなどでは休日に市民がファブラボに集まり、お酒を飲んで談笑しながら服作りなどを楽しむようです。身の回りの問題点をすべて自分の力で解決することは不可能です。そのためには「能力」は個人が独占するものではなく「みんなでシェアするもの」と捉える必要があります。

​ この思考の変化は、産業・経済システムが、消費社会から共創社会へと大規模に変化する可能性も秘めています、持続可能な社会の実現には、Co-Designの考え方はマッチしていると感じています。

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 Well-being(ウェルビーイング)とは、精神的にも身体的にも、また社会的にも健康である様子を指す言葉です。医学、心理学、統計学などの発展に伴い「人の心はいかに充足しうるのか」という人間の心の動きを法則化する取り組みが各国で行われてきました。近年では世界中の人々の幸福度が指数化されるなど、その細密度は加速しています。人生が大きく左右される決定などでは、「効率性」「経済性」を第一とした区分では汲み取ることのできない価値があります。Well-beingは、こうした経済性や効率性に代わる新しい発想の尺度として機能します。

 自己実現を目的とした「わたしたちのためのウェルビーイング」から社会のための「わたしたちのウェルビーイング」へと変換を遂げています。企業が取り組むべき課題として、環境問題をはじめとする「持続可能性」の次は「人間のウェルビーイング」への配慮かもしれません。

参考文献:渡邊淳司・ドミニクチェン 他『わたしたちのウェルビーイングをつくりあうために ―その思想、実践、技術』(2020)​​

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