【レポート】2020年、渋谷。超福祉の日常を体験しよう展


こんにちは。Design,more.代表の入江遥斗です。

2020年9月7日、「2020年、渋谷。超福祉の日常を体験しよう展(通称:超福祉展)」にSDGs for schoolの大学生メンバーとして登壇させていただきました。



超福祉展とのかかわり


2018年、高校2年生のときに初めて登壇させていただいた超福祉展。これまで出演した多くのイベントの中でも、現在の自分の活動に最も影響を与えているのがこの超福祉展です。このイベントの魅力は、クリエイティブな手法で意識のバリアを軽々と超える「かっこよさ」にあります。「ボランティア」をはじめとする社会活動系の団体には「地味」「ダサい」「意識高い系」など負のイメージが付きまといます。これは、現在の福祉業界の抱える問題と非常に類似しており、共通の問題意識を感じています。同時に、超福祉展の展示の数々から感じられる、多くの人を引き付ける力を学生の意識にも持ち込み、身近な変革を起こすことができるのではないか、という可能性を、イベント登壇を通じて改めて再認識することができました。


当日は、オンラインでの参加も含めて10名以上の中高大学生が集まり、活動事例紹介や学生ならではのトークセッションがなされました。さらには、学校の先生やThink the Earthなどの大人の方々を巻き込んだ、インタージェネレーショナルな議論が行われるなど、バーチャルの世界で3時間半に渡る”密”なシンポジウムが実現しました。



今年は、学生の良さを全面に引き出すべく、大学生による進行、中高生による事例発表そして中高大学生に大人が加わったSDGs for School全体でのトークセッションが行われました。各グループの活動紹介は、SDGs for schoolのメンバーであり、現在Think the Earthさんで学生インターンとして活躍している落合航一郎くん(慶應義塾大学総合政策学部1年生)が詳しく記録してくれています。高校生のアツい活動報告はこちらからご覧ください。



これからの教育とSDGs


私がとても興味をもったのは、坂本さんが取り上げていたSDGsの暗記問題です。この問題については、自分も受験生のときに遭遇し、大きな違和感を感じたことがあります。学年間、さらには世代を超えてこの「モヤモヤ感」と向き合い、本質的なSDGs達成に向けた議論を展開することが大切なのだと感じました。


また、このような議論から、私たちの「教育」はどのように生み出され、どのような変化を遂げてきたのだろう、と考えるようになりました。


そもそも、「教育 education」という言葉は、ラテン語で「引き出す」を意味する「エデュカーレ educare」に由来すると言われています。古代ローマでは、「自由人」と呼ばれる人々が、自分たちの意思で物事を決めて行動することにより、都市や国家が形成されてきました。彼らが議論の上に定めたのが「ローマ法」と呼ばれるものです。それまでは「神に対する誓約」により社会の秩序が保たれていましたが、このローマ法の成立により「人間同士の契約」が効力を発揮するようになりました。ローマ人たちは、このような合意形成・行動のことを「合意は拘束する(パクタ・スント・セルヴァンダ)」と表現しました。このようにして社会的な合意形成を結んでより良い社会を実現するために、相手から思考力や洞察力、想像力を「引き出す」ことが、教育の本来の姿であると考えることができます。(参考:瀧本哲史・著『武器としての決断思考』-2012-)



しかし、現代の「教育」を、先生など、学生よりも上の立場の人間の考えを「押し付ける」ことや、試験的な正解を「詰め込む」といったような、半強制的なものと考える学生も多いのが現状です。明治時代にパッケージ化された授業スタイルが、このような認識に拍車をかけているとも考えられます。


新型コロナウイルス感染症の影響により、私たちの社会が複雑な価値観や背景を持った共同体であるということや、そこで起こるさまざまな問題(格差の増大や環境問題、都市の最大の特徴である「密」の危険性…)の存在が、肌感覚でもわかるようになってきました。その中で顕在化した「不確かさ・わからなさ」を、私たちは見つめ直し、コミュニケーションやイノベーションを通して解明していく必要があると考えました。講演のなかでお話ししたSDGsやウェルビーイングは、そのための大きな手掛かりになると考えています。



登壇の機会をくださった上田さんや山藤先生をはじめ、司会の落合くんや藤井さん、高校生の皆さん、本当にありがとうございました。


超福祉展2020の様子はYouTubeのアーカイブ映像からご覧になれます。また、当日発表で用いた資料は当ホームページのコンテンツ欄から閲覧・ダウンロードしていただけます。ぜひご覧ください。



関連リンク


▶超福祉展特設ページ|Design,more.

https://www.designmore.org/super-welfare-expo

▶2020年、渋谷。超福祉の日常を体験しよう展 公式ホームページ

http://peopledesign.or.jp/fukushi/

▶SDGs for School シンポジウム情報

http://peopledesign.or.jp/fukushi/symposium/395/ ▶Think the Earth イベントレポート

http://www.thinktheearth.net/jp/2020/09/blog/